「編集」と言っても…コピーエディットとプルーフリードの違い

「編集」と言っても…コピーエディットとプルーフリードの違い

英文編集者のサービスを確認する際に目につく「copyediting」と「proofreading」。どちらも漠然と「英語の文章を直す」ととらわれがちですが、実は別物です。編集のお仕事を頼む前に2つの違いをはっきり把握し、ご希望通りの品が手元に届くようにしましょう。

編集サービスを検索する上で「copyediting」と「proofreading」という言葉に遭遇されたかと思いますが、それぞれどういう意味なのでしょうか。

「英語編集」とひとまとめにしがちですが、 実は2つは別物のサービスです。編集者によっても分け方は若干違いますが、一般的に以下のような区別がつけられます。

内容ファイルの種類タイミング
(1) Developmental editing全体の流れや構造を考える段階でのお手伝い。何をどこに入れるかなどを見る。Wordなど
(* 1)
編集者にもよるようですが、骨組みができてから・下書きが出来上がったら等
(2) Copyediting文章や段落レベルの編集で、原稿を磨き上げる:Line editing
確認するのは次のような点:
  • 伝えたいことがはっきりわかる文章か、適切な表現が使われてるか
  • 筋道が通っているか、流れはいいか
  • 欠けてる情報はないか
ややこしいのですが、英語ではline editingということもあります(^^;
Word
草稿が出来上がったら
デザイン(レイアウト)前の編集段階:Copyediting
ほぼ完成した原稿の「表面的」な直しをし、デザイナーがレイアウトできるようにテキストを用意するようなイメージです。ここでチェックするのは次のような点です:
  • 文法・綴りに間違いはないか
  • 見出し、図のタイトル、番号のフリ方などに一貫性があるか
  • 定められてるstyle(シカゴ、APA等)が適応されているか
  • レファレンスのフォーマットにも問題ないか(*2)
Word
草稿が出来上がったら(line editing終了後が望ましい)
(3) Proofreading (校正)提出する原稿やゲラにミスがないか、文字やワード単位で行う最終的なチェック。ここまでの過程で見落としたスペルミスや誤字脱字、一貫性が欠けてる点がないかなどを確認。PDF、Word最終的に提出する原稿、もしくはゲラ(PDF)
(1) ワードに限らず、まだ書き換え可能なファイル書式…という意味です。
(2) 細かに、リファレンスの一貫性・正確さを確認したり、定められたスタイルに変換する作業は、相当な時間と手間を要します。仕事の一部として引き受けてくれるか、必ず編集者と予め相談&合意してください。また、その分の費用もかかることをお忘れずに。

The Clarity Editorの場合

当方では、(2)line editing & copyediting と(3)proofreadingのサービスを提供しています。

(2)では「line editing」と「copyediting」分けて書きましたが、当方ではひとまとめに「copyediting」と呼び、それぞれのクライアントさまが必要とされる編集をするよう心がけています。

Copyeditingとline editingの違いの例をあげますと:

Copyediting:原稿に磨きをかける

VoxEU.orgでcopyeditingをさせて頂いてますが、ウェブサイトに載せる記事の準備ですので、タイトルの大文字・小文字の使い方・表の題名の表記・英国綴などが決められたスタイルに統一されているか、リファレンスのスタイルが正しいか…などを主に手直しします。

もちろん途中で文法や言い回しも訂正しますが、あまり大きな変更はしません。

Line editing:草稿の構造や流れも確認

ユニタールでは、line editよりの編集をさせて頂いています。プロジェクトプロポーザルの英文が簡潔で理解しやすい文章であるか。筋道が通っているか・欠けてる情報やメッセージはないか・裏付けがしっかりしているか・国連機関にふさわしい英文か等確認し、「〇〇と表現した方がわかりやすいかもしれません」「もう一言〇〇の説明があるとわかりやすくなります」等のアドバイスをいたします。

また、United Nations Editorial Manualに沿った綴りや大文字・小文字の使い方、固有名詞・国名などに一貫させるので、こちらはcopyeditingよりですね(^^)

  • よく「プルーフリードをお願いします」と依頼されますが、実際クライアント様がイメージされてるのは「copyediting」や「line editing」ということが多いです。
  • 当方では、copyeditingやline editingは文章を「直す」というよりも、著者の方が原稿を仕上げるために判断を下しやすいようにアドバイスをする…と言った方が正しいかもしれません。
  • また、copyeditingやline editingを効率よく利用するには、「すでに草稿が仕上がり、清書にする一歩手前」でご依頼されると良いです。

依頼主と編集者間のコミュニケーション用の道具

イメージを掴んでいただきたいばかりに、ここではcopyeditingもはっきりと2レベルに分けてしまってますが、実際は重複する点も多く、境界線はぼんやりとしたものです。

編集者側としては、クライアント様が「どのくらいまで見て欲しい」のか、なるべく詳しく把握したいので、それをお伝えいただく基準になればと思います。

(また、実際作業を始めてみて「もう少し深い編集をおすすめします」などということがあればお伝えしますので、その程度のものと捉えていただければ何よりです。)

まとめ

Proofreadingとcopyeditingの違いをざっとお分かりいただけたでしょうか。

ご自身がどのような作業を必要としているか 。それを、英語編集者に仕事を依頼する前に把握し、事前に編集者へお伝えすることで、思い通りの品がお手元に戻るようになるかと思います。

クライアントさまが必要としている英語をしっかり把握し、安心のサービスを提供します。ご不安・ご不明な点がありましたら、まずはご相談ください☆

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